認可地縁団体の印鑑

 

 認可地縁団体を設立するということは、認可後には不動産登記が不可避的に生じますから、団体名義の印鑑(代表者印)が必要になります。そのため、従来の地縁団体で団体名義の印鑑を作っていない場合、または作っていたものの法人化を期に名称が変わった場合には、新しく印鑑を作成する必要があります。 

 

 また、作成とは別に認可地縁団体の印鑑を実印登録することもできます。

 ただ、一般的な町内会活動で実印(印鑑登録証明書の提出)が必要になる場面はあまり考えられないでしょう。また、不動産取引において実印が必要になるのは登記義務者(売主・贈与者など)であり、登記権利者(買主・受贈者)には必要とされていません。

 認可直後に行う不動産登記は、団体の構成員個人(共有名義含む)や不動産会社から団体へ移転する登記であるため、当面は印鑑登録しなくても不都合はないでしょう。

 一度、印鑑登録をすると代表者の交代があるごとに変更申請が必要になりますし、実際に必要になってから登録された方がよいかもしれません。ただ、認可当初に印鑑登録をしておいて、代表者の交代があるごとに変更申請していれば、いざ印鑑登録証明書が必要になったとしてもどこに行けばいいのか、どの士業事務所に相談すればいいのか、住民ひとりひとりが意識できるというメリットはあるかもしれませんね。

 

 最後にどんな印鑑を作ればよいのかについて触れておきます。会社を経営していらっしゃる方に身近なもので会社代表者印(会社の実印)がありますが、これと同じだと考えていただいて問題ありません。


 上の図の円がお作りいただく印鑑(印影)です。

 外円が印鑑の外周で、内円によって印鑑のエリアが2つに分かれます。外円と内円の間のドーナツ状の部分にその団体の名称を、内円の内側(ドーナツの穴の部分)に「代表者之印」または「代表者印」といった文字が入ります。

 非常に大規模な地縁団体で、「第一支部長」や「〇〇ブロック長」のような役職があり、内部決裁の場面などで印鑑を持つ必要がある場合には、「代表者之印」の部分を「第一支部長印」などにしたものを作ってもよいでしょう。

 使用する字体はお好きなものを選んでいただいて構いません。

 

 次に、印鑑の大きさですが、将来印鑑登録をする必要が生じることに備えて、登録の要件を備えたものを作っておいた方がよいと思います。

 上の図の点線で描かれた正方形の一辺の長さが30mmのものに収まる印影でなくてはなりません(大きい方の限界)。逆に、正方形の一辺の長さが8mmのものに収まらない印影でなくてはなりません(小さい方の限界)。

 

 いざ、印鑑専門店に来た時に伝え方にご不安な点があるときは、電話またはメールにて連絡していただければ、お店の方に直接説明することもできますのでお気軽にご相談ください(事前に日時のご予約、ご連絡をいただけるとスムーズです)。

 また、ご自分で発注するのは不安だったり面倒だったりする場合には、当事務所にて実費+1,500円(税別)の手数料で発注の代行も承りますのでご利用ください。